SMSアイ-ソリューション > ブログ > 富山県って、山が豊富だと思っているそこのあなたへ!
2018年04月02日
富山を代表する景勝地(雨晴海岸から望む立山連峰)
富山県といえば、山。
山に囲まれている富山県では、橋の上からでも、海岸からでも、どこからでも綺麗な山の景色を見ることができます。
だからこそ、富山県は全国的にみても山が多いのだろうとずっと思い込んでいました。山が富んでいるからこその富山県だと思っていました。
富山市五福方面から望む富山大橋と立山連峰
山が富んでいるということは、山の面積が広いということだと思い、富山県全体の面積における山地の割合を調べてみました。
2016年度の山地面積と、2015年度の面積から算出したグラフです。
このグラフを見ると、富山県の山地面積は64%ほど。全国的にみると、平均よりも少し広い程度です。北陸三県で比べてみると、その面積は福井県に余裕で負けています。
面積比率でみると、富山県は山に富んでいるとはとてもいえません。
では、どうして富山県には山が豊富にあるような印象を持ってしまっていたのでしょうか?
それは北アルプスの立山連峰の印象がとても強いからです。海からたった数時間で3,000m級の山にアクセスできる県は、全国、世界を探してもそうそうありません。
3,000mを超える頂上の雄山神社を参詣する課外授業の学童児童
富山湾越しにみる立山連峰は、一度見ると忘れられないほどのインパクトがあります。山が好きで、剱岳などの富山の山に惹かれて移住してきた人もいるほどです。
「富山」という漢字と、インパクトのある山々の素晴らしい景色が、富山は山の多い県だと思い込ませていたのです。
それでは、山に富んでいないのになぜ「富山」県という名前なのでしょうか?
富山県の県名の由来について調べてみました。
地名由来辞典によると、『呉羽丘陵が現在の高岡市から見て、外側にあったから「外山(とやま)」と呼ばれ、そこから縁起のよい「富山」にした』と書かれています。
「富山」の漢字はそのような経緯からきていたのです。そのことを知っていると、「富山」という地名にも深みが出てきたように感じます。
今回は山地面積の比率で、山が富んでいるのかどうかを判断しました。
面積という視点では、富山は山が多くなかったのですが、私たち富山県民は「山」の影響を大きく受けて生活しています。
冬は山にぶつかった寒気により、大雪が降ります。雪が富山や立山連峰を覆って、素晴らしい景色を見ることができます。春の雪解けによって、豊富な水を確保できます。海に雪解け水が注ぎ込むことによって特殊な地形になった富山湾は、天然の生簀と呼ばれ、新鮮で美味しい魚をもたらしてくれます。
富山県民にとって「山」は切っても切り離せない存在。もしかすると、「山が富む」からではなく、富山県民にとっての「富」が「山」なのかもしれません。
writer:ゆうへい