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2016年01月20日

富山市民は買おう!猪谷関所館ほか13施設の『年間共通パスポート』

富山県 関所館 (1)

 

富山市にお住まいの方は『年間共通パスポート』というものをご存知でしょうか。

 

このパスポートを購入しておくと、一年間富山市にある様々な博物館などの施設が入り放題になるという、使い方次第では神アイテムと言えるものです。

 

富山県 関所館 (2)

 

ではどんな施設に使用できるのでしょうか。

 

富山県 関所館(3)

 

富山市民にはおなじみのファミリーパークや科学博物館もしっかり網羅されていますので気軽に何度でも行けちゃいますし、今まで行ったことのない場所に行ってみるきっかけにもなることでしょう。

 

この13施設の他にも、今年8月に出来たばかりの「TOYAMAキラリ」内の「富山市ガラス美術館」の常設展示にも利用出来るんですよ。

 

そして気になるお値段ですが、画像では1000円になっているのですが、現在では1500円となっています。まあ消費税も増税しましたしね。便乗値上げってレベルじゃない気もしますが、それでもちゃんと使っていけば、十分元が取れるおいしいパスポートなのには間違いありません。

 

ではせっかくの機会なので、今回このパスポートを使ってどこかの施設に行ってみることにすます。

 

ということで今回私が行ってきたのは、パスポートがなかったら多分絶対に一生行くことはないであろう、猪谷関所館でございます。

 

ええ、皆様のおっしゃりたいことはわかります。「よりによってそこかよ」と。しかしですよ。普通だったら行くことがないであろう場所が、このパスポートがあることでじゃあ行ってみようかと思うきっかけになるというのも、このパスポートの醍醐味ではないでしょうか。

 

それに、もしかしたら関所館もバカにしたものではないかもしれませんよ。

 

世の中にはあらゆるジャンルにおいてマニアな人たちが存在しますよね。この日は世間的にちょうど3連休で晴天にも恵まれたこともあり、もしかしたら県内外から関所マニアたちが集っているかもしれません。

 

では出発します!

 

 

富山県 関所館 (4)富山県 関所館 (5)

 

猪谷は富山県と岐阜県の境目にある地域ということで、国道41号線をひたすら進んでいくと徐々に山の景色へと変化していきます。

 

富山県 関所館 (6)

 

道草界の重鎮にして道の駅フリークの私なので、ここは当然「道の駅細入 林林」に寄らざるを得ませんね。

 

富山県 関所館 (7)

 

新鮮なお野菜たち。各100円。

 

大根とネギを買いました。しばらく後に車内がネギの香りで充満しまして、「行きに買うのは失敗だったか…」と、いつも同じ後悔をします。だって帰りには売り切れてるかもしれないじゃない…。

 

さらに車を進めることしばし。やっと関所館の看板が見えてきました!

 

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うわぁ・・・・

 

富山県 関所館 (9)

 

ではなくてこちら!

 

あの古い看板だけだったら、さすがに引き返していたかもしれません。

 

富山県 関所館 (10)

 

やっと到着しました。どちらかというと私的には看板の下のもつ焼きののぼりの方がやたら気になりますが、周りを見回してみると他にもなかなか興味深いものがありました。

 

富山県 関所館(11)

 

白黒の映画に出てきそうな渋い駅。

 

そして駅の向かいにある個人商店。

 

富山県 関所館 (12)

 

関所…せんべい・・・!?

 

しかも、創業100年超えてる!?

お店の年季の入り具合に比べるとあまりに立派な看板で、もうどんなものなのか気になってしょうがありません。これはぜひ帰りに買ってみないといけませんね。

 

ということで、いざ関所館に入ってみましょう。

 

toyama_sekisyo (13)toyama_sekisyo (14)

 

受付でパスポートを見せると、奥の事務所から館長さんが颯爽と出てこられまして、簡単な自己紹介から関所や歴史についての説明が否応無しに始まりました

 

いやもう、この館長さんのトークの勢いがすごいんです。

 

「富山県民の方もあまりご存じないようなのですが、富山の神通川の西側からは加賀藩だったんです。石川県だけで100万石なんて出来るはずがない!百万石の半分は富山なのです」。

 

富山県人なのに知らなくて、まんまと驚く私。そういえば富山県の呉西側(西側)の観光地に行くと、やたら前田利ナンチャラという名前を見た気がするのは加賀藩だったからなのか…。

 

そして、関所を通るには番人宛の過書(出国許可証)が必要で、事前に届けられている印鑑と一致しないと通れないというお話や、関所が閉鎖されたとき富山市へ戻るように命じられたけど、戻ると下っ端になるのでこの地域に残ったという逸話も聞けました。

 

富山県 関所館(15)

 

そして、関所が閉鎖される時のお話の中で、館長さんから「関所にはたくさんの資料が保管されています。都合の悪い書類が残ってたら、あなたならどうしますか?」と聞かれましたが、こちらが何か言うより先に「処分しちゃいますよね!」と素早く教えてくれた館長さんマジ親切。

 

「当館には当時の貴重な資料が残っているんですよ。ぜひご覧になってみて下さい」と、セールストークも忘れない館長さん。

 

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そして他にも、富山のブリ(鰤)は高山や信州で大変に珍重されていたこと。ブリは塩ブリにして日持ちするようにして牛で運び、牛が行けない場所は人が運んでいたこと。ブリを運んでいた道は現在の国道41号線とほぼ一致し、その道はブリ街道と呼ばれていたことを話されました。

 

ブリ街道・・・そういえば街でよく『ブ、ブ、ブリ街道』とか『ひ、ひ、ひだ街道』というのを見かけましたが、それにはこういう意味があったのですね。ちゃんと説明してくれないとわからないよ・・・。

 

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さらに、橋を作りたくても軍事上の理由から幕府の許可が下りずに、断崖絶壁を『籠渡し(かごのわたし)』というもので人力で引っ張って渡っていたお話など、他にも色々聞いた気がするのですが全部覚えるのは無理なので、ボイスレコーダーを回しときたかったな~と思いましたね。

 

まあ持ってきてたとしても、不意打ちすぎて不可能でしたが。

 

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↑ 籠渡しの様子を描いた絵

 

「何かあればいつでも聞いてください。写真撮影はOKです。」と言って去っていった館長さんの後姿がやたらイケメンに見えました。

 

正直この館長さんのトークが聞けただけで、ここに来た甲斐があったと思いましたね。

濁流のような勢いのあるトークにぐいぐいと引きこまれちゃいましたよ。

 

では、これからゆっくりと見て回るとしますか。

 

館長さんの話の後なので、消化試合になりそうな気がしないでもありませんが・・・。

 

 

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しかし誰もいない・・・。関所マニアたちは今日何してんの?

 

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資料だけでなく、手鎖や十手、焼印 木札など、当時の貴重な品の展示もあります。

 

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この籠渡し体験は、この関所館の目玉の一つになると思われますが、当時の籠渡しを再現したものが展示してあるんですよ

 

これは見るだけではなく、実際に乗ってみることも出来ちゃうんです。

 

それがこちら。

 

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私の中ではなんとなくこれを、ヤリイカと呼ばせていただきたいと思います。

 

私も一応ヤリイカに座ってみたりしましたが、ギシギシとした音と感触が伝わってきて籠渡し情緒をなんとなく感じることが出来ます。

 

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いつか切れそうな気がしないでもありませんが、いったい当時はどのようにメンテしていたのでしょうかね。

 

そして、牛や人が中心だった荷物の運搬は、やがて荷馬車へと移り変わっていきます。

 

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さらに時代はさらに、荷馬車から鉄道に取って代わっていきました。

 

その移り変わりの歴史についても、関所館では詳しく説明がなされています。

 

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ああ~、こんなんマニアが欲しがるだろうな~と思っていたら、本当にそのような盗難事件が過去にあったとのことです。

 

盗難:神岡鉄道のロゴマーク盗まれる猪谷関所館展示品

 

そしてこちらも関所館の目玉になると思われる『映像コーナー』。

 

toyama_sekisyo (26)

 

貸切にもほどがある。

まあ、考えようによっては贅沢なひと時ではありますけどね。

 

toyama_sekisyo (27)

 

↑ 越中(富山)から飛騨へ運ばれた魚

 

タイ、ブリ、シイラ、車エビ、サワラ、カレイ、マス、ボラ、アラ、イワシ、イカ、サバをはじめ、他にもたくさんの種類の魚が越中から飛騨へと運ばれていきました。

 

魚意外にも、米や塩や薬などの生活に欠かせないものも運ばれています。特にブリについての解説はあの館長さんもお勧めしていた程なので非常に細かく展示してあり、なかなか興味深かったですよ。

 

これで一通り館内を見て回ったのですが、入り口付近にも興味深いものが二つありました。

 

それがまずこちら。

 

toyama_sekisyo (28)

 

円空(えんくう、寛永9年(1632年)–元禄8年7月15日(1695年8月24日))は、江戸時代前期の木食僧(廻国僧)・仏師・歌人。特に、全国に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残したことで知られる。 Wikipediaより引用

 

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toyama_sekisyo (30)

 

全国に5300体以上存在しているという円空仏。

 

細入地域では24体が見つかっているとのことです。

 

なんでも鑑定団では、本物に一体100万円以上が付いていたりしますが、芸術を見るとすぐにお値段が気になってしまう私の俗物根性にも困ったものですね。

 

そしてもう一つは、

 

toyama_sekisyo (31)

 

猪谷にいる動物達の剥製。

 

動物ウォッチャーの私なのでついつい見てしまいましたが、一見これといった珍しい動物はいませんね。キジ、クマ、ハクビシン、タヌキ、テン、キツネ、そして…

 

 

そして、えっ!??・・・・・・

 

toyama_sekisyo (32)

 

竹の皮製!? ガン!? 中国製!?

お前は何を言っているんだ。

これはもしや、イノタニンジョークというやつなのでしょうか。

 

このセンス嫌いじゃないですけどね。

 

ということで、最後の最後で大きな衝撃を受けたまま、関所館を後にしました。この関所館、意外と言っては失礼ですが、予想もしない面白さや楽しさがありました。まあでも2回目はさすがにないな~と思いつつ、「じゃあ関所せんべいでも買って帰るか~」と思ったその瞬間…

 

 

toyama_sekisyo (33)

 

えっ!?

来たとき開いてたのに、もう閉まってる・・・。

 

さすが郊外の個人店。無駄に頑張りすぎない自由なスタイルなのでしょう。

しょうがない、また今度買いに来るか。

 

あれ!?ちょっと待てよ。

2回も来るってことは、私ももう関所マニアを名乗っていいんですか??

 

それではまたお会いしましょう~~

 

 

富山市猪谷関所館
富山市猪谷978-4
TEL 076-484-1007
休館日
月曜 祝日の翌日 年末年始
料金
一般150円 団体20名以上120円 中学生以下無料

 

writter:あるのん

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