

SMSアイ-ソリューション > ブログ > 北陸富山あれこれブログ > 日本情緒溢れる坂の町「富山八尾」にある中国茶専門店『おおつか茶舗』
2017年02月21日
坂の町「八尾」。おわら風の盆で超有名ですね。街並みも趣があり、江戸時代には富山藩の財政蔵として華やかな町人文化を垣間見る、そんな不思議な八尾町。おわら風の盆では、甲高い歌声の唄い手と演舞場で踊り手が観客を魅了する姿は圧巻です。
ですが、八尾町の日本的な趣とは裏腹に、中国茶専門店があるのをご存じですか?
それも超マニアックな!
おわら風の盆しか知らないなんて、勿体ない!
今回はちょっと変わった八尾町の一面をご紹介したいと思います。
そもそもの出会いは数年前。知り合いから「中国茶と手作りスイーツのセットが美味しいお店があるよ」と聞いたことに始まります。当時、私はさほど中国茶に興味も無く、中国茶と言えば市販のウーロン茶を飲むぐらい。しかもスイーツにはコーヒー派。
しかしそこは珍しいモノ好きな私…。一番は手作りスイーツに魅かれたですが、中国茶という珍しいネタで新境地を開こうと、興味津々に八尾へ出向いたのです。
まさかそれが、何年もリピーターとして訪れることになる中国茶専門店『おおつか茶舗』との出会いになるとはつゆ知らず。
そこは八尾の古い街並みの中にあった
八尾の旧町と言われる東町におおつか茶舗はあります。
有名な「聞名寺(もんみょうじ)」を通り、東町通りと言われるほぼ一方通行の道を道なりに行くと左手に「おわら資料館」。そこからすぐのところです。(お店の向かいに第一銀行あり)
これだけ見るとバリバリの日本茶売ってそうですが(笑)
店内に入りましょう。
オシャレなディスプレイ♪中国っぽーい(思い込み?)
わぁ♪可愛い茶器がたくさん♪
女っていくつになっても可愛いものには滅法弱いです(笑)
なんだか揃えたくなりますね!使うかどうかは別として(笑)
部屋のインテリアに使ってもオシャレかも。
中国茶専門店といっても日本茶はありますよ。
聞けば、先代は日本茶の販売をしていたとか。
今でも昔ながらに日本茶を買いに来られる方もいるそうです。
こじんまりとしたお店の大半を占めるのが、このウッディなテーブル(笑)
目の前に店主の大塚美眞子さん登場。
「こんにちは。ようこそ。」
椅子には可愛いひざ掛けまであります。(冬には湯たんぽも登場するらしい)
いろんなメニューがありますが(ホームページ参照)、私はいつものおかませ中国茶セットを頼みます。
まず最初に出てくるのが、小さいグラスに入った杏色した水出しウーロン茶。
食前酒みたいなものですね。
飲んでみると...甘―い!!!
これ、ホントにウーロン茶?めっちゃフルーティ。高級なワインみたい。
「これどんなウーロン茶ですか?」って聞いたところ、衝撃の告白が!
「出がらしのウーロン茶葉を水出ししたものですよ」
「で、で、出がらし?!」
耳を疑いました(^_^;)ですが、これが事実です。
出がらしだけで、こんな味わいがあるなんて!!
いわゆる、まかない茶のようなものなんですって。驚いた。
あまりにも美味しくて一気に飲み干しましたよ。
そして、いよいよ本日の中国茶。
細長いグラスに緑色した茶葉を入れて熱湯を注ぐ。
茶葉を急須とかに入れるのではなく、ダイレクトにグラスに投入。
このやり方に最初は驚きました。
ですが、これなら誰でも手軽におうちで飲めそうです。
なんといってもダイナミックさが面白い。
これまで中国茶ってお茶を淹れるのも難しそう…と思っていたので、
お茶の淹れ方も教えていただき、一気に敷居が低くなったことを覚えています。
まぁ、洗い物も少なくて済むのが最大のポイントですけど(笑)
「今日のお茶は、緑茶の『碧螺春(へきらしゅん)』と言います。」
緑茶って、あれ?日本茶の?と思われた方。説明しよう!
中国茶には、いくつか種類があるのですよ。
簡単に説明すると、上記のように中国茶は発酵度によって7種類に分けられます。一番発酵度の低い緑茶は、生産・消費量ともに最も多く全体の7~8割を占める中国茶だそうです。
ウーロン茶は青茶、プアール茶は黒茶、ジャスミン茶は花茶。
そして紅茶があることにお気づきですか?
中国の代表的な紅茶といえば「祁門(キーマン)」。世界三大紅茶の一つです。
大きく分けたら以上ですが、実は全ての中国茶で考えると、約1000種類ぐらいのお茶があるそうですよ。ここおおつか茶舗さんでは、販売用で約20種類、喫茶用・講座用では約50種類取り揃えてあります。こんなに種類があるところは富山では他に無いと思いますね。
ほら、マニアックでしょ?
さぁ、話を戻しましょう。
熱湯を注がれた碧螺春(へきらしゅん)。
段々ホコリのようなものが浮かんできました。
やだ!お茶にゴミが!と思ったその時・・・
「これは新芽の産毛ですよ。その産毛が甘みを出してくれるの。ホコリじゃないのよ~」
と、大塚さんニヤリ。
心が読まれていました。でも安心した(笑)
それでは飲みますね。ごっくん。ごっくん。・・・ぐびぐび。
あ、爽やかな風味。苦み渋みはなく、ほのかに口の中で甘みも感じます。
お湯を吸収してプルンプルンに膨らんできた茶葉。
つやつやの綺麗な緑色になってきました。
お茶が少なくなるとお湯を継ぎ足し、何杯も飲めるそうです。
不思議なことに、継ぎ足すたびに甘みが出てきます。
はい、ここでスイーツ登場。
「いちじくのワイン煮です。美味しいよ♪」(大塚さん手作りです)
ん?でっかい梅干しですか?(笑)
ツンツンってフォークでつつきます。それではいただきます。
おー、程よい甘さ。お茶にぴったり。
いちじくをちびちび食べながらお茶を飲む。
「あっ、これもおススメ~。クセになるよ。」と言って出されたのが、ヒマワリの種。
「これ、皮は食べちゃダメなの。中身を出して食べてね。」
言われるままに、歯で皮をカリっと割って、中の実を食べる。
ほんのり塩味が利いたナッツのようです。
食べた先からまた皮を割り実をポリポリ食べる。
確かにクセになる。誰か止めて(笑)
そして種をつまみ?にお茶も進みます。
いちじくもヒマワリの種も、お茶にピッタリですね。
ところでこの緑茶って何杯目かな? すでに5~6杯は継ぎ足されたでしょうか。
多少味は変化しますが、お茶の旨みは変わらず出ています。
こんな風に何杯飲んでも旨みが出るのが中国茶の特徴なんですね。
何杯でもおいしく飲めるなんて、お得だわ(笑)
ところで、何で中国茶専門店なの?と思いますよね。聞いてみました
今から十数年前、歯科衛生士をしていた大塚さんは、中国茶に限らず当時からお茶が大好きだったそうです。そして、とある本に出会い、岩茶(福建省の武夷山で取れるウーロン茶)に興味を持ち、東京の目黒にある岩茶房までわざわざ出向かれたとか。
何しろ岩茶というのはその名の通り岩山に茶葉が育ち、岩場の過酷な環境下で栄養分を取り込んでいるのですから、ものすごい生命力なんですって。究極のウーロン茶とも言われるほどに。
そんなエネルギーたっぷりの岩茶に強いパワーを感じ、岩茶が大好きになったそうです。
その後、中国茶の師に出会い、いろんな中国茶の奥深さを知っていくうちに、自分で中国茶の飲めるお店ができたらと夢を持ち、歯科衛生士を卒業して中国茶中心のティーサロンを2002年に開業されたそうです。
大塚さんをとりこにした岩茶が気になるわぁ~!と言ったら、
「ちょっと飲んでみます?」
よっ!太っ腹!!ありがとう大塚さん!(^^)!言ってみるもんだわ(笑)
富山で究極のウーロン茶を飲めるなんてラッキー。
岩茶は、スタンダードな作法でお茶を淹れてもらいました。
茶器に茶葉をセット。
お湯を注いで蓋をする。
その蓋でかき混ぜる。
ガラスの茶器に入れて
それぞれの茶碗へ。
そして蓋をする。
上下ひっくり返して
開ける。
蓋を手で転がしたり
その蓋の香りを楽しんだりしてから、いよいよ岩茶を飲みます。
この一連の作法、面白いですよね。
蓋で茶葉をかき混ぜるところなんて、旨み出してますって感じしますし。
大塚さん曰く「半分パフォーマンスですよ(笑)」
何そのカミングアウト(笑)確かに雰囲気が出るし味も変わってきそう。
私の心は、中国にいました。
岩茶のお味は、まろやかで優しい味わい。
さきほどの緑茶と比べると・・・
緑茶はあっさりした感じで、岩茶はコクがある感じ。
雰囲気しかお伝えできなくてすみません(笑)
食レポの才能はあると思っていたけどな~。雰囲気だけでもお楽しみください。
このコクがパワフルなエネルギーかな?
ん~なんか体にエネルギー溜まってきたぞ!(とっても影響を受けやすい私)
確かに普通のウーロン茶ではない味わい。通じゃない私でも分かりました。
そしてまたここでスイーツが登場です(^.^)手作りチーズケーキ。やった!
実は岩茶には様々なエピソードがあり、そのパワフルなエネルギーのおかげか病気が治った、正座できなかったおばあちゃんができるようになった、など数多くの逸話を持っています。
その効果を求めて飲みに来られる方もおられるそう。
ですが大塚さんは、
「もちろん、岩茶のパワーも素晴らしいですが、気持ちのいい空間で、好きな人と飲むのが一番の薬だと思いますよ。」
その一言、深い…。中国4,000年の歴史ぐらい深いお言葉です。
確かにここで飲む中国茶は実に美味い。
今まで中国茶ってクセがあって飲みにくい、と思っていたのに、大塚さんから色々教えて頂き飲んでみると、少しずつ美味しさが分かったのですが、それはおそらく、明るくておおらかな人柄の大塚さんが傍にいてくれるあたたかい空間のお店だからなのかな?
お茶を飲みながら、中国茶のうんちくを聞いたり他愛も無い世間話をして笑ったり。そしてお店を出る頃にはなんか元気になって、また来ようと思うのです。
もちろん中国茶が体に良いと思う以上に、ここで飲みたいと思える空間だということが、長年通い続けている理由なんだと思います。(あれ?そしたら中国茶でなくてもいいのか?(笑))
今回ご紹介した「おまかせ中国茶コース」は、中国茶もスイーツも、お茶の入荷と店主である大塚さんの気分で、その日によって違うことはご了承ください。何が出てくるか分からないワクワク感もおおつか茶舗さんの魅力の一つなのです。そして、他にもメニューはいろいろあるので、ぜひホームページをチェックしてみて下さいね!
そして運がよければ看板猫のモモちゃんにも会えますよ!
(まあ店主が猫みたいな顔してますけどね(笑))
日本情緒溢れる八尾町にある中国茶専門店「おおつか茶舗」
大塚さんに会いに行くもよし、お茶を飲みに行くのもよし。
さて、お店の魅力をあげるとキリがないので、そろそろこの辺で終わらせないとね。
終わらせ…終わら…おわら・・・(八尾なだけに^^;)
おあとがよろしいようで!!
富山県富山市八尾町東町2088
電話:076-454-3370
営業時間 10時~19時
定休日 火曜日、水曜日